CNF水分散体
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セルロースナノファイバー(CNF)は、
植物繊維をほぐしナノレベル(1mmの100万分の1)に微細化した非常に細くて長い繊維です。
CNFは、高強度、高弾性率、増粘効果、大比表面積、低線熱膨張係数(熱に対する寸法安定性)といった
特徴を有する優れた材料として、多くの分野での展開が期待されています。
また、植物から取り出した天然由来の繊維のため、低炭素社会の実現にも貢献できる素材です。
セルロースナノファイバーとは
セルロースナノファイバーは植物などから得られる繊維(セルロース)を1ミクロンの数百分の一以下のナノオーダーにまで高度にナノ化(微細化)した世界最先端のバイオマス素材です。セルロースナノファイバーは植物繊維由来であることから、生産・廃棄に関する環境負荷が小さく、軽量であることが特徴で、弾性率は高強度繊維で知られるアラミド繊維並に高く、温度変化に伴う伸縮はガラス並みに良好、酸素などのガスバリア性が高いなど、優れた特性を発現します。
植物細胞壁の主成分であるセルロースは、地球上に最も多く存在する天然の高分子で、年間生産量は1,000億トン以上と推定されています。その構造は、セルロース分子が数十本束になった幅3~4nmの微小な繊維(セルロースミクロフィブリル)の集合体です。この微小な繊維単体、または集合体が幅数十nm以下まで解されたものを総称し、CNFと呼んでいます。
垂井化学のCNF
垂井化学では、2017年よりCNFの研究開発を進め、
2022年よりCNF実装製造設備稼働を開始いたしました。
セルロース繊維に独自の処理を行うことにより微細化エネルギーを低減することで、
従来の製造コストを大幅に下げることに成功いたしました。
また、様々な原料でCNFの製造を行うことができます。現在は、積極的なサンプル提供と事業化のための用途開発を進めています。
ご要望に応じて、サンプルの種類・形状にも対応いたしますので、お気軽にお問い合わせください。
セルロースナノファイバーの特徴と用途
セルロースナノファイバーは、その形状や特徴的な物性により、フィルター部材、高ガスバリア包装部材、エレクトロニクスデバイス、食品、医薬、化粧品、ヘルスケアなど様々な分野において利用が期待されています。
スプレー可能で垂れないゲル
垂井化学では、独自の化学処理を行うことで、 高効率でのCNFの製造を可能にしました。 本技術により得られるCNFは繊維幅が約3 nmと非常に細く、均一であることが特長です。
分散安定化・沈降抑制
セルロースナノファイバーを添加することで、 CNFのネットワーク構造により微粒子の沈降を抑制する 高い効果を発揮します。 これにより、無機粒子や金属粉末等の機能性粒子を 分散することが可能です。
乳化安定性
セルロースナノファイバーは、水分散液中で界面活性剤のような働きを持ち、 水分散液と油を激しく攪拌することで油滴表面にCNFが吸着し、 水と油を乳化させ、安定性の高いエマルジョンを形成することが可能です。
輸送・保管メリット
垂井化学のCNFは、高濃度での提供が可能なため、 お客様に自由な添加処方を設計いただけます。 ご要望により、防腐剤・防カビ財・分散助剤等の添加剤にも 対応いたします。 また、従来のスラリーと比較し、保管スペースを大幅に 節約することができます。 保管・輸送に関わるCO2の削減にもつながります。
その他の特徴
- 1.軽くて強い
- 2.超極細の繊維(繊維幅約3nm)
- 3.比表面積が大きい
- 4.熱による寸法変化が小さい
- 5.ガスバリア性が高い
- 6.水中で特徴的な粘性を示す
- 7.環境にやさしいバイオマス素材